FLY RODS
塗装に浄法寺産漆を使用したフライロッド(西洋毛鉤釣竿)を製作しています。
漆塗装したフライロッドに「Vruxi」と名付けました。ウルシと読みます。
これはポルトガルの古語で、16世紀来日したルイス・フロイスらが、
母国に存在しない漆のことを、「ウルシ(vruxi)」と呼び伝えていました。
昭和に入り石油産業の台頭で、細くなっていた漆器と漆の技術。
改めて紹介しようと、この古語を漆塗フライロッドにいただきました。
2018年にVruxiシリーズはグッドデザイン賞を受賞しています。
わたしのフライロッド製作は1999年から。当初は化学塗料で製作していましたが、
現在はグラファイト素材を漆塗装で仕上げています。
ラインアップは随時変わりますので、詳細はお問い合わせくださいませ。
現在は主に漆屋店舗にて販売しています。
Vruxiシリーズは、岩手県紫波町カムパネラ製のブランク(竿のカーボン製の骨)を使用し、浄法寺産漆で仕上げています。竿の調子は岩手の渓流でテスト調整し決定しました。
浄法寺産漆はとても強い塗膜を持っています。
それをさらに研磨(呂色磨)することにより、今までの釣竿の塗装にない
深く美しい光沢と傷のつき難い表面が表れます。
カーボン素材への食いつきも協力で、どんなにしならせても剥がれる
ことはありません。
また経年変化が美しく、使うごとに漆の光沢は深くなっていきます。
傷などついてしまった場合でも、その傷を使用の履歴としながら
修復が可能です。
エキチカの漆市の協賛作家とのコラボレーション製作もおこなっています。
個性ある作家の技術をブランクに施します。
画像は「工房びん」の漆絵を施したフライロッドです。
2023年には岩手県北部の漆器製作の仕上げ技術「上塗り」で
ロッドを塗り上げる技術を確立しました。
漆器ならではの「溜」「水銀朱」をブランクやパーツに採用できます。
イベント向けに製作することも多いです。
画像は2023年秋の「北のクラフトフェア」要に製作した
9フィート4番の「秋向け」スペックの朱色竿
2023年から輪島で蒔絵の修行をした蒔絵YUU氏の蒔絵も施せるように
なりました。
伝統の技法をフライロッドに。